第 6 回K-Labo 発達障がいについて学ぶ
2021、1、23 ミューカルがくと館
1、郡山市の発達障がい者支援の実情
郡山市議会議員 箭内好彦氏
発達障がいの種類には、
➀自閉症スペクトラム(ASD) ➁ADHD(注意欠陥・多動性障害) ➂学習障害(LD)
とがあるがそれぞれ複合的に絡み合い一人ひとりの状況が異なる。
早いと 1 歳頃より養育者が何らかの違和感を覚えることもあり、2 歳から 5 歳までの
未就学時における早期発見、早期対応が大切であると考え、発達相談事業として 5 歳児健診が有用であると感じる。
発達障がい児の就学の 4 つの選択肢
➀特別支援学校(県立) ➁特別支援学級 ➂通級指導教室 ⓸通常学級
があるが、診断が間に合わない、保護者の意向(決定権は保護者にある)等により特別支援教育を受けられないケースもある。
場合によっては通常学級での二次障害に移行する恐れもある。
発達障がいの医療・健診について
郡山市では予約から受診に要する期間は 1 年から 1 年半と長い。
郡山市では希望者への相談等は行われているが、それでは発見の取りこぼしが出る。
それを防ぐのが 5 歳児健診だが、郡山市ではその実施は無く代替え手法も無い。
5 歳児健診や 5 歳児発達相談事業は本人の早期発見・早期対応の為のためであると同時に
保護者への支援のスタートでもある。
就学期の課題
<小学校~>
学校からは特別支援教育補助員の増員希望が多数あるがなかなか希望に添えない。
通級がある学校は少なく、他校通級の場合は保護者の送迎等が必要となる。
<高校>
高校の選択肢が少ない
通常高校に入学-通常高校における限界もあり不適応や不登校になる場合もあり
通信制高校に変更することも多い
特別支援学校の高等部 知的障害を伴う場合には入学可(知的を伴わない場合は不可)
以上、郡山市の現状と課題についてお話し頂きました。
貴重なお話をありがとうございました。
2、発達障がいについて学ぶ
~親から地域に届けたい声~
発達障がい児凸凹発達児子育てサポート Lino 代表 佐藤舞氏
発達障がい児凸凹発達児子育てサポート Lino とは?
孤立させない子育ての課題解決を目指し 2018 に発足。
親御さん向けのコミュニティ「親の会」(月 1~2 回開催)や発達障害の正しい知識や理解を深める為の啓発活動を行っている。
佐藤さんが当事者の親として感じていたことは?
・子育ての悩みを気軽に話せる場がなく、周囲の方々の誤解や偏見が多かったことに衝撃を受けていた
・子育ての厳しいルールを課し、自分自身を追い込んでいた
・自身の経験から居場所作りと孤立させない支援の必要性を感じた
Lino の活動の中で聞こえた親御さんの声
・家族や周囲による発達障がいの偏見と誤解について
・発達検査の待機期間の長さ
・相談窓口の少なさ
・親御さんの社会復帰の困難さ
・学校との関わり
・専門知識を有する先生の少なさ
・放課後等デイサービスの利用について
・発達障がい児育児向けの情報ツールが探しにくさ
・特別支援学校、特別支援学級などの進路について
・社会福祉制度の種類・活用について
など
「親の会」を利用した親御さんから特に多かった話題
➀*放課後等デイサービスについて
(*6 歳~18 歳までの障がいのある子どもが学校の放課後や夏休みなどの長期休業中に利用できる福祉サービスで、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進等の支援を行う。)
・親御さんの声
利用するまでの流れが分かりづらい
小・中・高と学年があがるにつれて受け入れ先が少なくなる
学校から放課後等デイサービスへ向かう際の送迎の大変さ
親御さんの仕事とのバランス(ライフスタイルに合った仕事が見つからない。探しにくい。)
➁*特別支援学級について
(*特性のある児童生徒の為に通常の小・中学校に設置された学級を指す。通常学級での学習指導が困難な児童生徒を対象に少人数制の授業を行い「一人ひとりに合わせた適切な学習を行う」ことを目的としている。)
・親御さんの声
学校内で問題が起きた際、学校以外の相談窓口が分からず、悩みすぎた結果、探す気力もなくなってしまう。学校との連携がうまくいかず、悩みが増えてしまう。
➂学校での問題を解決するための第三者の介入
・特別支援教育コーディネーター
・スクールカウンセラー
・スクールソーシャルワーカー
などの専門職の介入には日程調整が必要であり、対応に至るまでに時間を要する為、事態が深刻化することがある。また、学校側からの依頼がないと動けないという立場にある。
専門職の存在の周知
専門職の人手不足の解消
相談のしやすさと紹介方法の検討 などが課題としてあげられる
こおりやま子ども若者ネットとして、または個人として取り組めそうなこと
☆発達障がいの子ども達、そして親御さんの感じている「困難さ」をまず理解する
☆Perch のような居場所提供の場に発達障がいの子ども達、そして親御さんらが参加しネットワーク内のメンバーとの関わり
(傾聴としての聞き手、カウンセラー、ソーシャルワーカー、プレーワーカー、セラピスト、読書会)
又は親御さん同士が語り合う場とする
☆支援側に立つ佐藤さんのような方への癒し
☆相談の内容によっては次の相談窓口の紹介
☆ネットワーク内に教員の方々を招き、悩みや思いを共有する
☆母親の就労支援(おしごと百貨店)
☆これらの内容を市議会議員さんに届ける
☆「発達障がい児凸凹発達児子育てサポート Lino」さんの活動への参加、応援
など
最後に・・・
「発達障がい児凸凹発達児子育てサポート Lino」さんの支援の中心は
発達障がいの子を持つ親御さんの、理解されていない・・・受け入れてもらえない・・・
相談できる人がいない・・・と深く悩んでいる思いにスポットを当てることである。
親御さんが孤立しないように心の内側を安心して話せる居場所をつくるという目的がよく分かるお話でした。
私達も個人でできる事、ネットワークとしてできる事を考え続けていきますので、
これからも応援させて下さい。
こおりやま子ども若者ネットワーク 佐藤聡子
0コメント