9月車座会議の報告

皆さん、こんにちは。

今回のブログを担当させていただきますのは、一般社団法人グレースコミュニティサービスの須藤新之介です。

本日は、9月29日(火)に中央公民館において開催された「こおりやま子ども若者ネット9月車座会議」のご報告をさせて頂きます。
毎月、様々な議題をもって開催されている「こおりやま子ども若者ネット車座会議」ですが、加盟団体間の情報交換や取り組みに対する理解と共有、民間協議会設立に向けての社会議題の理解などの場として開催しています。
今泉さんから営業トークも交えた(笑)楽しい開催挨拶をいただき、鈴木代表からはこわかネットで開催している「K-Labo」の内容や、マイノリティにとっての生きづらさ、オルタナティブ教育についての話がありました。

さて・・・
今回は、まちなか広場Perchを開催し、また、郡山市のスクールソーシャルワーカーである岡部睦子さんから、「スクールソーシャルワーカーが見ている現状~教育現場における不登校~」と題して活動紹介していただきました。

内容は以下のとおりです
●スクールソーシャルワーカー(以下、「SSW」)の仕事内容や雇用要件(有資格者や経験者であること)については、誰でもできるわけでもなく、ある程度の技術や方法が必要である。
●何をしているのか?
・基本的にはアセスメントに基づいたケースワーク
・学校内は教育用語などの専門用語が多く、地域や家庭に伝わらないことが多いため、学校と家庭との間の通訳となることが多い。
・学校を主軸にした子どもの権利の尊重に基づくソーシャルワーク
●福島県、郡山市の不登校事情について
・学校に復帰している児童・生徒がいるものの、新しい不登校案件が、復帰数を上回り、結局年々増加している
・何をもって不登校にするかは判断が難しい面もある。
・不登校の要因のトップとされているのは「無気力」、ついで「人間関係」、「不安」とされている。
●様々な学校の先生の声を聞いたうえで、子どもと家庭も視野に入れた支援を円滑に進めるためにはSSWの介入が望ましい。
●SSWとしての限界
・所属している学校や教育委員会の意思が反映されるため、支援の軸がぶれる時がある。
・子どもや家庭と関われる期間が限られている。
・SSW自体の力量 など
●SSWとしての限界を感じ、個人として何ができるか考え、子どもと大人が一緒につくる居場所づくりとして、誰でも来ることができる場所としての「まちなか広場Perch」を開催している。
その中で・・・
・子ども達との継続的な関わり
・主体的に判断して来ることができる場所
・包括的な家族支援
・支援者と援助者をつくらない
といったことを大切に活動している。

スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなど、名前は知っているものの、仕事内容や勤務形態については全く知らず、今回の岡部さんの活動紹介でその実態を知ることができました。そのうえでSSWの継続的な必要性、勤務形態の在り方について考えさせられました。
そして、仕事としての限界があったとしても、その限界を知ったうえで、では「個人として、自分に何ができるか」というチャレンジをしていくこと、そして、こわかネットのような民間団体等で構成されるネットワークの大切さを、岡部さんの話から学ぶことができました。
岡部さん、活動紹介、本当にありがとうございました。


続いて・・・
「コワカトーーク」(全体ミーティング)では、生き方工房necotaの櫻井さんのファシリテーションのもと、全体ミーティンへの導入としてアイスブレイクを行いました。

今回のアイスブレイクは、前回に引き続き
「こわかネット流・フルーツバスケット」

このフルーツバスケットの方法がどのようのものかは、前回の記事を読んでいただけたらと思います。

今回のお題はこちら↓です。
①岡部さんの話に質問、疑問があった人
Q.スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーの違いとは何か?

岡部さん:お話を聞くところまでは一緒。SSWはケースワーク、ソーシャルワーク、SCがカウンセリングと棲み分けもできているが、仕事のスタンスは違う。
Q.不登校の要因が「無気力」とあるが、その「無気力」自体の原因は何か?
岡部さん:無気力というのは周囲から見た状況なので、何もしていない、部屋から出てこないというだけで無気力とされていることもあるのではないか。
②(①の話を聞きつつ)小学校以降は詰め込み教育をされていることが無気力につながっていると思う人
(意見)
・詰め込み教育ではなく、一人一人への学び方、内容、学校への通い方が柔軟であり、通信制高校などのように自分でプログラムが組めるようにできるといいのではないかと思う。
・海外の教育と比べると、日本の教育にはお金がかけられていない。教育先進国のように、教育にお金をかけ、詰め込み教育だけではなく、子ども達同士での学び合いもできるといいと思う。
③不登校の子どもの卒業後のイメージが湧く人
・地域の方との関係(きっかけ)により、外に出ることができた子がいる。

・ある地域では中学校に行っていなくても、フリースクールに通っていれば出席したことになるところもある。

・中学校3年間不登校だった人が、通信制高校を経て、大学も出て、今はとある地方公務員として働いている。そういう事例もあることから、決して不登校の子どもの卒業後のイメージは暗いだけではないと思う。
④不登校状態にある子供にとって最大の弊害は学習機会がないことである思う人

・不登校の子は学習権が侵害されていると思う。

・学習機会だけでなく、友人関係などもあるのかもしれない

①から④の中でも、不登校の一番の原因が「無気力」だということで、では、その「無気力」の状態にさせている原因は、果たして何なのか。「詰め込み教育」が原因なのか、様々な環境が原因なのか。
 この「無気力」について、例えば、現役の小・中学校の教諭などを招いて、今後、深掘りして議論していけたらいいですね。
さて、前回の「こわか式フルーツバスケット」を更にグレードアップさせた「コワカトーーク」
皆さん、様々な思いや考えを抱いていて、もしかしたら時間が物足りなかったかも知れませんね
それに、自分の胸の内を他人に晒すということは、非常に難しいことだと思います。何か言ったら嫌われるのではないか、進行の邪魔なのではないか・・・
私個人は、いつもそんなことを考えがちです。(考えがちでも、なるべく毎回発言するように心がけていますが・・・)

しかし、こわかネットは、自分が胸に秘めている、他では言えないようなことも受け止めてくれる場だということを、私自身、実感した時間でした。

最後に小グループに分かれて、本日の振り返りとしてのディスカションを行いました。
内容については、A班とB班のディスカション内容について記載します。

(A班)
A班では、コロナ禍以降の学校の状況や、地域を含めた教育や居場所づくりについて議論されました。

今般、学校教育の枠組みだけではなく、公民館などの社会教育の枠組みを重ね、学校と地域が協働していくことが重要視されています。(コミュニティスクールや地域学校協働本部など)
しかし、地域の担い手として、どこが、誰がやっていかなければならないのか。そう考えたときに、このこわかネット、そして団体、個人、一人一人が地域の担い手となっていけるのではないか。そのために、車座会議やK-Laboで共に学び、共に分かち合っていくことが必要なのだと思いました。
 また、居場所づくりについても、フリースクールなどには不登校経験者の方にスタッフとして働いたい、特定の括りがなく、親、保護者にとっても経済的に優しい居場所づくりが必要ではないかという発言がありましたが、この経済的な部分に関しても、様々な知恵を集めていければいいですね。

(B班)
B班では、不登校のデメリットについて議論されました。
現行制度、環境のままということが前提であれば、学習機会の損失が一番のデメリットであるように感じます。
学習機会は、決して学校の勉強を学ぶだけでなく、楽しく生きていくための選択肢を増やし、知るためのものです。
それが不登校という状態では学習機会を損ない、制度を変えるということが難しいということであれば、私たちにできることは、環境を変えていくということ、整えていくということです。その学習機会を得るための居場所づくり、環境づくりをどのようにしていくか、こわかネットや加盟団体等の中でも、更に議論を重ねていくことが必要ですね。

この小グループでのディスカッションにおいても、様々な意見をお持ちの方がいたと思いますが、この短い時間の中で、何を、どのように話すか。そして、皆さんの意見をファシリテーターがどのように引き出すか。
私自身、議論を円滑に進めるためのファシリテーションは必要な技術だと思い、こわかネットの中での学んでいるところです。なかなか難しいことかも知れませんが、こわかネット全体で、そういったことも学びながら議論を深められたら良いですね。
とにかく、皆さんの活発な議論や発言のおかげで、非常に中身の濃い2時間となりました。

今日の議論の中でも出てきた
●子供達の学習権とは?
●生きるのに必要な学びとは何か?
●私たちのゴールについて

これらを日々の中で学びつつ、このこわかネットの中で一緒に考えていきましょう!!

(ただいま事務局員募集中!!)

NPO法人こおりやま子ども若者ネットワーク

こわかネットは郡山市内の子ども若者に関わる活動をする団体・個人が集まって組織しているネットワーク団体です。

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