2022年こおりやま子ども若者ネット第三回K-LABOののレポート
第三回K-LABO「教育機会確保法を学ぶ」
文科省から初等中等教育局児童生徒課課長補佐の大野照子氏をお迎えして、不登校の現状と教育機会確保法を踏まえた不登校の子どもへの対応についてお話を伺いました。
講演に先立ち、講師紹介のあとは参加者も一人40秒の自己紹介タイムです。なぜ、今ここに自分が居るのか自分に再確認です。60分の講演のあと、K-LABOの恒例として、講師の話を拝聴するのみでなく、ディスカッションや質問、意見交換の時間が持たれました。今回の講演会はキリン福祉財団の助成事業で、助成元から2名の参加がありましたが、お一人ずつ違うグループに別れ、みなさんの議論の輪に入りました。立場を超えて多様な方々と話し合う時間はK-LABOの魅力ですね。
不登校に関わる講演内容は、今回大きく4つに分けられていました。
1不登校の現状
2教育機会確保法について
3不登校児童生徒への支援施策
4今後の方向性について
5参考としてヤングケアラーに関する調査結果と支援について
1不登校の現状
「教育機会確保法」に入る前に、文科省による令和2年度の不登校児童生徒の実態調査の結果から、子どもが不登校になった要因別の一覧表が示されましたが、調査対象や調査方法で不登校要因などの統計数字は大きく変わるということを感じました。状況を把握することが支援の手立ての元になるので、当事者の声が反映されやすい調査方法を求めたいところです。
2教育確保法について
「確保法」のおおまかなポイントは5つです。①「休養の必要性」②「学校以外の学びの大切さ」③「学校復帰」ではなく「社会的自立」④「公民連携」⑤「子どもや親への必要な情報提供」(注:当日配布した全国ネット作成の資料『知ってますか?教育機会確保法』より)
大野課長補佐の話から
「不登校は問題行動ではないということは学習指導要領にも明記されています。現場の先生方は目を通しておられるはずです。ただ、意識を変えるのは難しい。現場に伝えていきたい。教育機会確保法の各学校への浸透が一番の課題です。」
「(文科省には)公民連携の進んでいる状況が入ってくる。各地でもっと工夫ができるのではと思う。いろんな形で網の目を広げて行きたい。」
「自治体に対する国からのメッセージを自治体で共有できるよう、草の根の運動から広めて欲しい。」
3不登校児童生徒への支援施策
・教育支援センター(適応指導教室)の設置を推進
・家を居場所とする子どものためには、ICTを活用
・不登校特例校の増設
・不登校児童生徒に係わる関係機関の連携
・魅力ある学校づくり
・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーによる教育相談体制の充実
4今後の方向性について
①誰一人取り残さない学校づくり
②不登校傾向にある児童生徒に関する支援ニーズの早期発見
③不登校児童生徒の多様な教育機会の確保
④不登校児童生徒の社会的自立を目指した中長期的支援
という国の不登校支援に対する考え方が示されました。
会場からもオンラインチャットからも活発に質問、意見が出され
大野さんは、「公設民営を全国的な施策として展開するためには各地でいろいろな事例を積み上げてほしい」とお話をされました。
あらためて、親が今を生きる子どもを守るためには「子どもの権利を知ること」「人とつながり自分の世界をひろげること」そして何より、「子どもの声を聴くこと」が重要と思わされました。
ほんとの空くらぶ~ふくしま登校拒否を考える会~
大岡桂子
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